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所在地=〒130-0014 東京都墨田区亀沢 2-7-2 TEL = 03-6658-8936 (9:30~17:30 休館日を除く) 開館時間= 9:00~17:30(入館は閉館の30分前まで) 休館日=毎週月曜日(祝日の場合はその翌平日)、年末年始(12/29~1/1) . 臨時休館あり。 料金=一般:400円、高校生・大学生・専門学校生、65歳以上:300円 駐車場= なし |
都営地下鉄大江戸線=『両国』えきA3出口より徒歩5分 JR総武線=『両国』駅 東口より徒歩9分 都バス『都営両国駅前』より徒歩5分 墨田区内循環バス『すみだ北斎美術館前停留所』からすぐ |
葛飾北斎(1760~1849)は、現在の墨田区に生まれました。およそ90年の生涯のうち、90回以上も引っ越しをしたといわれますが、そのほとんどを「すみだ」で過ごしながら、多くの名作を残しました。作品の中には、両国橋や三囲神社、牛嶋神社など、当時のすみだの景色を描いたものがみられます。またすみだに住んでいた多くの文化人とも交流があり、その関係の中から生まれた作品も残されています。 |
北斎は本所割下水付近で生まれ、幼名は時太郎のちに鉄蔵といったといわれています。6歳」から絵を描き始め、12歳ころには貸本屋で働いたとされ、14歳ころに版木彫りの仕事をしていました。安永7年(1778)に役者絵で人気を博していた勝川春章に入門し、翌年には「勝川春朗(しゅんろう)」の画号で浮世絵界にデビューします。この時代は勝川派の絵師として役者絵や黄表紙(大人向けの絵が中心の読み物)の挿絵などを描いていましたが、その他にも幅広い題材の作品を発表しています。 |
師匠の春章が亡くなると北斎は勝川派を去り、寛政6年(1794)新しく「宗理」の画号を用いて江戸琳派の頭領となります。江戸琳派は、俵屋宗達、尾形光琳が京都で築いた琳派様式に影響を受けて江戸で誕生しました。この時期には独自の宗理様式も完成させます。狂歌の世界とも深く関わり、多くの摺物や狂歌絵本の挿絵を描きました。寛政10年(1798)、今度は「北斎辰政」を名乗って琳派から独立し、今後どの流派にも属さないことを宣言しました。 |
文化年間(1804~1818)に入ると、北斎は読本挿絵の制作を精力的に行います。読本挿絵は基本的に墨色が使われますが、薄墨や濃墨も用いられることがあります。北斎は墨の濃淡を利用した奥行きのある空間表現、奇抜な構図などで読本挿絵の芸術性を飛躍的に高めました。また、この時期には陰影表現が特徴的な洋風風景版画も制作しました。肉筆画も多く残し、最も多作な最晩年に次ぐ制作数があります。「葛飾北斎」や「戴斗」の画号が登場するのもこの時期です。 |
この時期には門人が増え、また北斎の絵を学ぶ人も全国にいたため、北斎は絵手本の制作に情熱を注ぎました。現在、「ホクサイ・スケッチ」の名で世界的に知られる『北斎漫画』の制作もこの時期に始められました。北斎の絵手本は眺めるだけでなく、工芸品の図案集としても使われました。絵手本以外の作品としては、文政年間(1818~1830)に描いた錦絵の鳥俯瞰図などがあります。「為一(いいつ)」の号を使い始めた文政3年(1820)から同5年(1822)にかけては摺物の制作が増えました。 |
この時期には「富嶽三十六景」をはじめとする有名な錦絵の名作が多く生み出されました。従来、浮世絵には風景画と称されるジャンルはありませんでしたが、「富嶽三十六景」の大流行により、浮世絵に風景画という新しいジャンルが確立されたことは、北斎の偉大な業績の一つです。「絵手本の時代」には洋風表現を大胆に使用した作例もありましたが、この時代にはより洗練された方法で洋風表現を使い、新しい表現を自分のものとして消化しています。 |
天保5年(1834)刊行の、『富嶽百景』で北斎は、百数十歳まで努力すれば生きているような絵が描けるだろうと記しました。この時期は「卍」の画号を用い始めたほか、肉筆画に精力を注ぎ、題材も風俗画から和漢の故事を取り上げた作品や宗教画等へと大きく変化します。また、絵を描く人々のために作画技法や絵の具の調合法を記した絵手本なども刊行しました。嘉永2年(1849)、病を得た北斎は、なおも真の絵師となることを望みましたが、ついに90年の生涯を終えました。 |
北斎は84歳の頃、区内の榛(はんのき)馬場に娘の阿栄(おえい)とともに棲んでいました。その様子を門人の露木為一が絵に残しています。このアトリエはそれを元に再現した模型です。北斎は炬燵に半分入りながら熱心に絵を描き、阿栄はその様子を傍らで見守っています。北斎を訪ねた人の話では、ゴミが散らかっていても父娘は意に介さず、その中で平然と絵を描いていたと伝わっています。 |
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